「会議が終わったあとの議事録作成に、毎回1〜2時間かかってしまう」——そんな悩みを抱えるオンライン秘書の方は多いのではないでしょうか。ChatGPTを正しく活用すれば、議事録作成の時間を最大70%削減しながら、クオリティを落とさない仕上がりが実現できます。この記事では、現役オンライン秘書の視点から、明日すぐ使えるプロンプトテンプレートと実践的な活用フローを丸ごとお伝えします。
この記事でわかること
- ChatGPTを使った議事録作成の基本フローと事前準備
- コピペしてすぐ使える議事録プロンプトテンプレート(3種類)
- 精度を上げるための「情報の渡し方」のコツ
- ChatGPT活用時の注意点・デメリットと対処法
- 議事録作成を自動化・半自動化するツール連携の方法
ChatGPTで議事録を作る前に知っておきたい基本フロー

ChatGPTを使った議事録作成は「文字起こし→ChatGPTで整形→人間が確認・修正」という3ステップが基本です。このフローを理解せずにいきなりChatGPTに投げても、期待した出力は得られません。まず全体像を把握しましょう。
ステップ1:音声・テキストの文字起こしを用意する
ChatGPTは音声ファイルを直接処理できません(2025年時点のWeb版標準機能)。そのため、まず会議の音声や録画を「テキスト化」する必要があります。
主な文字起こしツールと特徴は以下のとおりです。
- Notta(ノッタ):日本語精度が高く、Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsと連携可能。月額プランあり
- Otter.ai:英語会議に強い。Zoom連携でリアルタイム文字起こしが可能
- Whisper(OpenAI):無料・高精度。技術的なセットアップが必要だが、コスト重視の方に最適
- Google Meet の文字起こし機能:Google Workspace Business Standard以上で利用可能。追加費用なし
私の経験では、日本語の会議であればNottaが最もストレスなく使えます。話者の自動分離(誰が話したかの識別)機能があるため、ChatGPTへの入力テキストの質が格段に上がります。
ステップ2:ChatGPTへの情報の渡し方を設計する
文字起こしテキストをそのままChatGPTに貼り付けるだけでは不十分です。以下の「コンテキスト情報」を一緒に渡すことで、出力精度が大幅に向上します。
渡すべき情報チェックリスト
- 会議の目的・議題(例:「第3四半期の売上振り返りと次期施策の検討」)
- 参加者の役職・名前(例:「田中部長、鈴木PM、山田(外部ベンダー)」)
- 会議の形式(定例会議 / キックオフ / 意思決定会議 など)
- 出力してほしいフォーマット(箇条書き / 表形式 / 段落形式)
- 特に重要な決定事項・アクションアイテムの有無
ステップ3:出力を確認・修正してクライアントに納品する
ChatGPTの出力は「ドラフト(草稿)」として扱うのが鉄則です。固有名詞の誤変換、数字の取り違え、ニュアンスのズレは必ず人間の目でチェックしてください。確認作業を含めても、従来の手書き議事録と比べて作業時間は大幅に短縮されます。
すぐ使えるChatGPT議事録プロンプトテンプレート3選

ここからが本記事のメインコンテンツです。用途別に3種類のプロンプトテンプレートを用意しました。【】内を実際の情報に書き換えてそのまま使えます。
テンプレート①:標準議事録(汎用型)
最もよく使うシーンに対応した基本テンプレートです。
あなたはプロの秘書です。以下の会議の文字起こしテキストをもとに、議事録を作成してください。
【会議情報】
- 会議名:【例:週次定例MTG】
- 日時:【例:2025年6月10日 10:00〜11:00】
- 参加者:【例:田中(議長)、鈴木、山田、佐藤】
- 目的:【例:先週のタスク進捗確認と今週の優先事項の決定】
【出力形式】
1. 会議概要(3行以内)
2. 議題と討議内容(箇条書き)
3. 決定事項(箇条書き)
4. アクションアイテム(担当者・期限付き表形式)
5. 次回会議の予定
【文字起こしテキスト】
(ここに文字起こしを貼り付け)
テンプレート②:意思決定会議向け(経営・重要案件対応)
経営会議や重要な意思決定が行われる会議では、「なぜその決定に至ったか」という背景も記録することが重要です。
あなたは経営幹部向けの議事録作成を専門とするプロ秘書です。以下の文字起こしから、意思決定プロセスが明確にわかる議事録を作成してください。
【会議情報】
- 会議名:【例:新規事業検討委員会】
- 参加者と役職:【例:代表取締役・田中、CFO・鈴木、事業部長・山田】
- 主要議題:【例:新規SaaS事業への参入可否】
【出力形式】
1. 会議の目的と背景
2. 各議題の討議サマリー(賛成意見・反対意見・懸念点を明記)
3. 最終決定事項と決定理由
4. 保留事項と確認が必要な課題
5. 次のアクションと責任者・期限
※ 発言者が特定できる場合は「田中氏より〜との意見があった」のように記載してください。
【文字起こしテキスト】
(ここに文字起こしを貼り付け)
テンプレート③:英語会議の日本語議事録変換テンプレート
グローバル企業や外資系クライアントを担当するオンライン秘書に特に役立つテンプレートです。
You are a professional bilingual secretary. Please translate and summarize the following English meeting transcript into a formal Japanese meeting minutes document.
【Meeting Information】
- Meeting Title: 【例:Q3 Business Review】
- Participants: 【例:John (Chair), Sarah, Kenji Tanaka】
- Purpose: 【例:Review Q3 performance and set Q4 priorities】
【Output Format(日本語で出力)】
1. 会議概要
2. 主要な討議内容(要点のみ、箇条書き)
3. 決定事項
4. アクションアイテム(担当者・期限付き)
【Transcript】
(英語の文字起こしをここに貼り付け)
現場で実際に効果があったのは、プロンプトの冒頭に「あなたはプロの秘書です」という役割設定を入れることです。この一文があるだけで、ChatGPTの出力トーンが格段にビジネス文書らしくなります。ぜひ試してみてください。
議事録の精度をさらに上げる5つのテクニック

プロンプトテンプレートを使いこなしたら、次は出力品質を高める工夫を加えましょう。
テクニック①:文字起こしの前処理で精度を上げる
ChatGPTに渡す前に、文字起こしテキストを軽く整えるだけで出力品質が変わります。具体的には以下を行います。
- 明らかな誤変換を修正する(例:「あいまい」→「曖昧」)
- 話者名を統一する(「田中さん」「田中部長」「田中」がバラバラにならないよう統一)
- 長すぎる沈黙や「えーと」「あのー」などのフィラーワードを削除
この前処理は5〜10分で完了しますが、ChatGPTの出力精度が明らかに向上します。
テクニック②:チャンク分割で長い会議に対応する
ChatGPTには一度に処理できるテキスト量(トークン数)の上限があります。1時間以上の会議の文字起こしは、30分ごとに分割して処理し、最後に「以下の2つの議事録サマリーを統合してください」と指示するのが効果的です。
テクニック③:「確認してほしい点」を明示する
プロンプトの末尾に「不明確な点や確認が必要な箇所があれば、【要確認】と記載してください」と追加するだけで、ChatGPTが自信を持って判断できなかった箇所を可視化してくれます。これにより、見落としリスクが大幅に減ります。
テクニック④:カスタム指示(Custom Instructions)を活用する
ChatGPT有料版(Plus以上)では「カスタム指示」機能を使えます。ここに「私はオンライン秘書です。議事録は常にです・ます調で、アクションアイテムは必ず担当者と期限を明記してください」と設定しておくと、毎回のプロンプトを簡略化できます。
テクニック⑤:出力後の「リファイン(精緻化)プロンプト」を使う
最初の出力に満足できない場合、以下のような追加プロンプトで修正を指示できます。
- 「アクションアイテムをもっと具体的に書いてください」
- 「決定事項と未決事項を明確に分けてください」
- 「全体を500文字以内に要約してください」
ChatGPT活用時の注意点とデメリット

ChatGPTは非常に便利なツールですが、オンライン秘書として使う際には必ず把握しておくべき注意点があります。
機密情報の取り扱いに注意する
最も重要な注意点です。ChatGPTのデフォルト設定では、入力したテキストがOpenAIのモデル改善に使用される可能性があります。クライアントの機密情報(売上数字、人事情報、未公開の事業計画など)を含む会議の文字起こしを貼り付ける際は、以下のいずれかの対策を取ってください。
- ChatGPT Plusの「データ学習オフ設定」を有効にする(設定→データコントロール→モデルのトレーニングをオフ)
- ChatGPT Team / Enterprise プランを使用する(入力データが学習に使われない契約)
- 固有名詞・数字を仮名に置き換えてから入力する(例:「A社」「X億円」)
複数企業の秘書を務めてきた中で、情報漏洩リスクへの意識はどれだけ強調しても足りないと感じています。クライアントとの信頼関係を守るために、この点は絶対に妥協しないでください。
事実確認は必ず人間が行う
ChatGPTは「それらしい文章」を生成しますが、数字の誤りや発言の取り違えが起こることがあります。特に金額・日付・固有名詞は、元の文字起こしと必ず照合してください。
文字起こし精度に依存する
ChatGPTの出力品質は、入力する文字起こしの精度に大きく依存します。音声品質が悪い会議や、専門用語が多い業界の会議では、文字起こし段階での誤りが多くなるため、前処理の時間を多めに確保してください。
Zoom・Notion・Slackとの連携で議事録を半自動化する

ChatGPTを単体で使うだけでなく、他のツールと組み合わせることで、議事録作成をさらに効率化できます。
Zoom + Notta + ChatGPTの連携フロー
- ZoomでレコーディングをONにして会議を実施
- Nottaと連携し、録画終了後に自動で文字起こしを生成
- Nottaの文字起こしをコピーし、ChatGPTのプロンプトテンプレートに貼り付け
- 出力された議事録をNotionのテンプレートページに貼り付け
- SlackでクライアントのチャンネルにNotionのURLを共有
このフローを確立すると、1時間の会議の議事録を15〜20分で仕上げることが可能です。
Notionの議事録テンプレートを事前に作成する
Notionに以下のプロパティを持つデータベースを作成しておくと、議事録の管理が格段に楽になります。
- 会議名(タイトル)
- 日付(Date型)
- 参加者(テキスト型)
- ステータス(「ドラフト」「確認中」「完了」のセレクト型)
- 関連プロジェクト(リレーション型)
ChatGPTで生成した議事録をこのテンプレートに流し込むだけで、整理された状態でクライアントに共有できます。
よくある質問
Q. ChatGPTの無料版でも議事録作成に使えますか?
A. 基本的な議事録作成であれば無料版(GPT-3.5)でも使えますが、有料版(GPT-4o)のほうが日本語の文脈理解・要約精度が明らかに高いです。特に長い会議の文字起こしや、複雑な意思決定会議の議事録には有料版の使用を強くおすすめします。月額約3,000円の投資で、毎月数十時間の作業時間を削減できると考えれば、費用対効果は非常に高いと言えます。
Q. 文字起こしの精度が低い場合、どうすればいいですか?
A. 文字起こし精度が低い場合は、ChatGPTへの指示に「文字起こしに誤りが含まれている可能性があります。文脈から判断して、不自然な箇所は【要確認】と記載してください」と追記するのが効果的です。また、文字起こし精度を上げるには、会議時にマイクの品質を改善する(外付けマイクの使用)、参加者に「なるべくはっきり話す」よう事前にお願いするなど、録音環境の整備も重要です。
Q. クライアントから「AIを使って議事録を作っているの?」と聞かれたらどう答えるべきですか?
A. 正直に答えることをおすすめします。「ChatGPTを活用してドラフトを作成し、内容の確認・修正は必ず人間が行っています」と伝えれば、多くのクライアントは納得してくれます。むしろ「最新のツールを活用して効率化している」というプロフェッショナルな印象を与えられることも多いです。ただし、クライアントによっては機密保持の観点からAI使用を禁止しているケースもあるため、契約時に確認しておくことが重要です。
まとめ
- ChatGPTを使った議事録作成は「文字起こし→プロンプトで整形→人間が確認」の3ステップが基本
- 文字起こしにはNotta・Google Meet文字起こし機能などを活用し、テキストの質を高めてからChatGPTに渡す
- プロンプトには「会議情報」「出力形式」「役割設定」を必ず含める(テンプレート3種類をそのまま活用可)
- 機密情報の取り扱いには細心の注意を払い、データ学習オフ設定またはTeam/Enterpriseプランを使用する
- Zoom・Notta・Notion・Slackを連携させることで、議事録作成を半自動化できる
- ChatGPTの出力は必ずドラフトとして扱い、数字・固有名詞・決定事項は元テキストと照合する
- Notionに議事録データベースを作成しておくと、管理・共有が格段に効率化される
なお、本記事で紹介した効率化の効果(時間削減率など)は、ツールの習熟度・会議の種類・文字起こし精度などの条件によって個人差があります。まずは1つの会議でお試しいただき、自分のワークフローに合った形にカスタマイズしてみてください。


